2007年の9月に、東京で活躍するクリエーター12人が集まって
「後の月●月の宴」という展示会を開催しました。
その時の仲間の一人である、写真家の
熊谷聖司さんの個展に行ってきました。
小田急線参宮橋からほど近い、古い一軒家を手直しした、いい味わいの
フリュウ・ギャラリー。
一枚一枚紙焼きした、過去に撮られた写真が漆喰の壁にペタペタと貼られていました。
これはなに?
あ~それね~覚えてないの。
そうだよね。これだけ一杯撮っていたら忘れっちゃうのもあるよねぇ。
りっちゃん、この花なんだと思う?
ポピーかな?
う~ん、あ、そうそうコスモスだ。コスモス。
そう言って、壁に鉛筆でタイトルをしゃらしゃらっと書いている。
これ欲しいんだけど・・・これはなにかな?
あ、それね。シャッター。
え?シャッター?この扇のようにRを描いて輝いているこれが?
そう、シャッター。このタイトルはシャッターって書くのはやめておこう。
そうだね。

すべて1枚2000円で自分のものになるので、私はその美しく幻想的に輝くシャッターと、
メタリックペーパーというシルクのような光沢のある紙に陰画されたメリーゴーランドの頭を頂いた。私はガラスの香水瓶かと思ったのですが。
ぼんやりと、きらきら輝く、素敵な写真で、染色家の私としましては誘発されるのです。
私の写真ではとても表現できないので、ぜひ現物を見に行ってください。
熊谷さんの撮るものには、人物にしても、植物にしても、風景にしても、乗り物やモノにしても、目に見えないなにかが、じわじわと漂い写っているように感じます。
展示写真の合間のところどころに貼られたメモ書きも楽しいです。
そのメモ書きはとっても簡素なのですが、読んでいると、画像が浮かんでくるだけでなく、季節、気温、味やにおいも感じられてくるようです。
熊谷さんらしい、素敵な展示会でした。
2009年1月9日(金)~14日(水) フリュウ・ギャラリー
http://www.flewgallery.jp