5年ほど前に、大阪梅田阪急で開催された、栽景作家の小林健二さんプロデュースのジョイント展、Tokyo Creator's Galleryでご一緒した
キリモトの桐本泰一さんは、輪島の朴生地やさん、桐本木工所で、漆関係のモノをデザイン・プロデュースしています。
漆器は、素になる朴生地・椀生地、それに加工や装飾をしていく塗り・蒔絵・漆絵と、沢山の工程を経て作り上げるのですが、それぞれに専門の職人さんがいて、桐本さんは生業の木地行を営みながら、その職人さんたちと一緒に、創作活動しておられます。
漆器だけにとどまらず、その様々な漆の技法を生かして、建築素材(床や壁など)や家具、日常小物や生活雑具など現代の生活に活きるモノをデザイン・制作をしています。
お椀なども、デザインが洗練されていて、素敵なんです。
5年前の展示会で目をつけていた
朱塗りの杉椀も、3年後にやっとゲットン。やっぱり、このお椀でお味噌汁を飲むと、一味違うような・・・幸せな気持ちになる自慢の逸品です。
アイスクリームとか、あんみつとかのデザートを盛ってもよいんです。
東京での常設店は日本橋三越本館7階のJ・スピリッツ。その他、色々な素敵なスペースで、素敵な企画展もされています。
そして、この度、半蔵門線の清澄白川に小さな工房と商談スペースのあるショールーム、東京事務所・うるしの事務室を開設されたとのことで、早速お邪魔してきました。
のらくろ商店街近く、築30年ほどのいい感じのアパートの一室。
中に入るとそこは、本当にうるしの間。
拭き漆の床に壁面は様々な技法で塗られた漆のパネル。漆のダイニングテーブルに、拭き漆のスツール。
なんだか落ち着くんですよね。ここでパソコンをやっても、電磁波防止になりそうな?疲れなさそうなそんな感じがしました。
和紙や麻布を張った上から漆を掛けている漆のパネル。
乾いては塗り、乾いては塗りを何工程も、また、時間をかけて乾かす為、塗料や染料、絵の具では出せない、しっとりとした艶が、なんともいえない落ち着きと色気を醸し出しています。
漆独特のこの色彩とテクスチャーだけで、気品漂う装飾品にもなります。
油モノや生モノ、汁汁のモノをのせても大丈夫!という拭き漆のトレイ。早速友人とのパーティーで活躍。
今度は天ぷらや、手毬寿司みたいなものを盛りたいな・・・と思っています。パンやチーズもよいですね。
木という素材。日本の漆の色。この繊細な工芸品は、日本の自慢です。
そして、現代の生活の中で幅広く、楽しく、伸び伸び使える、自由で丈夫な漆器。
若手職人さんを抱えて、東奔西走、走り回る桐本さん、これからも益々素敵なモノ・空間を作ってくださいね。